スポーツ外来
毎週月曜日・水曜日の午後に開設しています。
初診受付時間 | 14:00~16:00 |
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再診予約制 | 14:30~16:00 |
- スポーツに起因する外傷や障害を診断・治療しています。年齢制限はありません。
当院スポーツ外来の概要
近年、スポーツを通じて健康増進を図る取り組みが多くなっており、競技スポーツだけでなく、国民の健康への意識も高まっているのではないかと思います。そんな中、スポーツによる怪我に対しても少なからず不安を抱える方も多いと思います。競技スポーツでは怪我をすることで長期間練習や試合への参加を制限されることがあります。健康増進目的でスポーツを始めても怪我をきっかけにやめてしまうこともあります。スポーツに取り組むすべての人が、“生涯スポーツ”として、安全に、長くスポーツ活動を続けていくために自分の身体を知り、どんな環境にも対応できる柔軟な身体づくりが大切であると考えています。
当院のスポーツ外来へ受診された患者さまの多くが、診察後にリハビリテーションを行っています。リハビリテーションでは、初期のスポーツ障害の治療から始まり、元々の身体機能を取り戻した上でスポーツ復帰することを目標に行っていきます。スポーツというのは多種多様であり、身体機能、身体にかかる負担、コンディショニング方法なども様々であるため、それらのスポーツ特性を考慮しながらリハビリテーションを進めていきます。
スポーツ外来 リハビリプロトコル
当院では多くのスポーツ障害に関わっています(実績)
2019年実績
足関節骨折(両果、後果)(10)
半月板損傷(円板状半月)(9)
足関節挫傷(後遺症)(8)
オスグッド(7)
膝内障(7)
シンスプリント(6)
股関節周囲炎(4)
アキレス腱炎(付着部痛)(3)
ジャンパー膝(3)
三角骨症候群(3)
膝蓋靱帯炎(3)
筋損傷(筋挫傷)(3)
ハムストリングス肉離れ(2)
アキレス腱断裂(2)
膝蓋靱帯炎(2)
有痛性外脛骨(2)
距骨骨軟骨損傷(2)
後十字靱帯断裂(1)
シーバー病(1)体幹腰椎分離症(35)
腰痛症(9)
腰椎椎間板ヘルニア(7)その他炎症、症候群、骨折、断裂など(36)
上肢 | 野球肘(15) 野球肩(6) 肩甲骨周囲炎(2) TFCC損傷(1) |
骨端線損傷(7) 疲労骨折(6)骨端線離開(4) 関節脱臼(肩・膝など)(3) |
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当院スポーツリハビリでは国際レベルの研究活動も行っています
- Yamazaki K, Kota S, Oikawa D, Suzuki Y. High defect stage, contralateral defects, andpoor flexibility are negative predictive factors of bone union in pediatric and adolescent athletes with spondylolysis. J Med Invest. 2018;65(1.2):126-130. doi: 10.2152/jmi.65.126. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29593182/
こちらの研究は分離症の重症度、両側分離、柔軟性の低下は腰椎分離症患者が骨癒合を目指す場合に阻害要因になることを示した研究です。特に、下肢の柔軟性が骨癒合と関連することはスポーツリハビリをする上で重要なポイントです。 - Yamazaki K, Kota S, Kawai H, Sawa K, Oikawa D, Suzuki Y. Physical characteristics ofpatients with symptomatic lumbar spondylolysis who have recurrent low back pain after returning to sports. J Bodyw Mov Ther. 2021 Oct;28:219-224. doi: 10.1016/j.jbmt.2021.07.011. Epub 2021 Aug 1. . https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34776144/
こちらの研究では、スポーツ復帰後に腰痛を再発した腰椎分離症患者の身体的特徴を明らかにしました。最も重要な知見は、スポーツ復帰後に腰痛を再発した患者は、上半身の機能的な動きが悪いということです。腰椎分離症の治療期間は単に安静にするだけではなく、医師や理学療法士の指導のもと適切なリハビリを行い、体の機能的な動きを改善させると良いでしょう。
スポーツ医からひと言
皆さま、こんにちは。整形外科の鈴木義司と申します。
一般的に整形外科といいますと、仕事中に機械で手を怪我や、転倒や交通事故などのアクシデントに伴う骨折などの外傷をイメージされると思います。「外科」というくらいですから、このような患者さまは、救急患者として、昼夜問わず病院へ来院(搬入)されることが多く、手術や入院にいたることがほとんどです。しかし、実際の整形外科外来では、平日の午前中に外来を開設しているため、変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄症、肩腱板断裂などといったいわゆる加齢性変形、変形に伴った脊椎や関節の痛みや機能障害に悩まされる中高年の患者さまが数多く来院されます。
では、成長期真っただ中の若者、特に小中高生は、腕や足腰の痛みなどで困ってはいないのでしょうか?彼らの多くは、スイミングやダンスなどの習い事をしていたり、陸上や野球、サッカー、バレーボールなどのクラブや部活に所属しており、定期的に運動をしています。「日常生活ではそんなに困らないけれど、スポーツ活動では痛みのために思う存分練習ができない」、「試合で自信が期待しているようなパフォーマンスが発揮できない」などといった悩みを抱えている子も多いのではないでしょうか?それでも、病院(整形外科)へ行けば、スポーツを中止しろと言われるに違いないし、挙句の果てに、注射や手術を勧められる危険にさらされるのに、わざわざ学校を休んでまで、病院に行くメリットがどこにあるのでしょうか?あるいは、今スポーツ活動を中止してしまえば、試合に出させてもらえなかったり、チームに迷惑がかかったりするなどの様々な葛藤を抱えながら、我慢しながらスポーツを続けているのかもしれません。
スポーツに伴う外傷(捻挫や骨折、脱臼など)であれば、周りの大人の方たち(ご両親、先生、コーチなど)は、すぐに気づいてくれて病院へ連れてきてくれますが、日々のスポーツ活動の中で生じた何らかの異常、いわゆるスポーツ傷害(野球肩、野球肘、オスグッド病、疲労骨折等)は、周りの大人の方たちも、子どもたち自身でさえも、その発症に気づきにくく、また、うまく伝えにくいこともあり、病院でレントゲンを撮るころには、病状がひどく進行してしまっていることも、時々経験します。
成長期の子どもたちの体の組織は、ただ単に大人の組織が小さくなったものではありません。
例えば、子どもの骨には、必ず成長軟骨板が存在し、また関節も分厚い軟骨におおわれていますが、これらの組織は、大人に比べると非常にもろく、デリケートなもので、大きな外力が加わらなくても、日々の微弱な外力が繰り返されることでも、順調に成長していくはずの大切な組織が傷ついてしまい、大人になっても後遺症を残すこともあるのです。
平成18年に月曜日の午後にスポーツ外来を開設いたしましたが、それは、なるべく、小中高生に病院へ相談に来ていただきたいからです。この時間は、手術を行わず、複数のスタッフで診療にあたっています。早期発見、早期治療を開始することで、今現在のパフォーマンスを改善させることだけでなく、将来、大人になったときに様々な仕事もでき、一生涯、スポーツを楽しんでいけるように、一緒になって治療していきたいと願っております。
また、特にスポーツをしていない子でも、成長期特有の障害は生じますので、スポーツ外来に相談に来てください。もちろん、スポーツ活動をしていてお困りの大人の方も、ぜひご利用ください。
動画コンテンツ
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スローイングドリル
野球肩、野球肘のようなオーバーヘッドスポーツに特徴的な障害からの復帰時に使用する「スローイングドリル」です。自宅でできる内容となっているので、お気軽に楽しみながらやってみてください。