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妊娠中・授乳中の抗インフルエンザ薬の使用について

2015年2月25日(水)

日本産科婦人科学会では妊娠中の抗インフルエンザ薬の使用を推奨している
2009-2010年、新型インフルエンザが世界的に大流行しました。特に妊娠中は重症になりやすく海外では死亡する割合が高かったため、日本産科婦人科学会では抗インフルエンザ薬を使用することを推奨しました。その結果、日本では妊婦の死亡を1名も出さずにすみました。


薬剤科①薬剤科②

 

妊娠中の抗インフルエンザ薬使用の安全性
少し古いデータになりますが、2011年に日本産科婦人科学会では妊娠中に抗インフルエンザ薬であるタミフルとリレンザを使用した859名の妊婦さんのデータを収集して解析しています。流産、死産、早産、低出生体重児、胎児発育不全が増加することはなく、赤ちゃんの形態異常も増加させなかったという結果がでています。

妊娠中にインフルエンザに罹ると重症化しやすい
赤ちゃんは、母体にとっては「異物」です。体の防御反応として異物を排除しようとするのが免疫反応ですが、赤ちゃんを「異物」として排除してしまっては大変です。そのため、妊娠中は免疫機能を低下させることによって妊娠を維持しています。
また、妊娠中は母体の血液量が増加するため心臓に負担がかかります。さらに、必要な酸素量が増加し、お腹が大きくなることによって横隔膜が押し上げられ、肺にも負担がかかります。
このような理由で、妊娠中はインフルエンザに罹ると重症になりやすいのです。薬剤科③

抗インフルエンザ治療薬を使用しながらの授乳は可能
内服薬のタミフルは、母乳中に薬の成分がでてくることがわかっています。しかし、その量はごくわずかであり、その母乳を飲んだ赤ちゃんに有害な症状が現れることはまず考えられません。
外用薬のリレンザやイナビルは吸入薬なので、ほとんど吸収されず、授乳しても問題ないと考えられます。

インフルエンザに罹ったときの授乳の注意点
お母さんの体調がよければ直接母乳をあげてもよいですが、赤ちゃんに感染させないよう注意が必要です。マスクをし、念入りに手洗いをしてから授乳するようにしましょう。
体調が悪いときには無理をせず、搾乳した母乳をご家族に哺乳瓶であげてもらうとよいでしょう。母乳には、お母さんの体の中で作られたインフルエンザに対する抗体も含まれているため、母乳をあげたほうが赤ちゃんにはよいのです。